📋 スタッフからひとこと — 山田敬一(葬儀映像演出 25年)

BGM選びは、本当に難しいのです。何百回と葬儀の映像演出を担当してきた私でも、毎回悩みます。同じ曲でも、選ぶ写真との組み合わせ次第で、受ける印象がまるで変わる。それほどBGMは大切な要素です。著作権の問題とあわせて、この記事で丁寧に解説しますね。
大切な故人様との最後の時間を記録した葬儀の動画を、遠方にお住まいのご親族やご友人にも共有したいとお考えの方は多いのではないでしょうか。YouTubeの限定公開機能は、特定の方々だけに動画を共有できる便利な手段です。
しかし、その動画に故人様が生前お好きだった市販の楽曲や、感動的なシーンを彩るBGMを使いたいと思ったとき、「著作権侵害になるのではないか」「せっかくアップロードしても削除されてしまうのではないか」という不安を感じるかもしれません。
ご安心ください。この記事では、YouTubeに葬儀動画を限定公開する際に知っておくべき著作権の基本から、著作権侵害を回避し、大切な動画を安全に共有するための具体的な対策までを、Webライターとして分かりやすく解説いたします。故人様を偲ぶ気持ちを大切にしながら、安心して動画を共有できるよう、ぜひ最後までお読みください。
YouTube葬儀動画の著作権問題:限定公開でも危険?
「限定公開なら、身内しか見ないから大丈夫だろう」そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、残念ながらYouTubeの限定公開動画であっても、市販の楽曲を使用すると著作権侵害となる可能性があります。
限定公開動画でも著作権侵害になる理由
日本の著作権法では、著作権者の許諾なく、著作物(音楽、映像、写真など)を「公衆に送信する行為」は著作権侵害にあたるとされています。
YouTubeの限定公開は、URLを知っている人だけがアクセスできる形式ですが、不特定多数ではないものの、複数人が視聴できる状態にあるため「公衆送信」とみなされる可能性が高いです。たとえ視聴者が身内だけだとしても、YouTubeのシステム上は「公開されている動画」として扱われます。
また、個人的な利用の範囲を超える、という点も重要です。ご自身で楽しむためだけに動画を保存しておくのは私的利用の範囲ですが、それをインターネット上にアップロードし、他者と共有する行為は、たとえ限定公開であっても私的利用の範囲を超えると考えられます。
市販曲利用で起こりうるトラブル(ブロック・削除など)
YouTubeには「Content ID」という自動検出システムがあります。これは、著作権を持つコンテンツ所有者が、自身の著作物がYouTube上で無断使用されていないかを監視するためのシステムです。
葬儀動画に市販曲を使用した場合、このContent IDシステムによって楽曲が検出され、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 音声のミュートまたは差し替え:動画内の著作権侵害部分の音声が消されたり、YouTubeが提供する別のフリー音源に差し替えられたりすることがあります。
- 動画のブロック:動画が特定の国や地域、あるいは全世界で視聴できなくなることがあります。
- 動画の削除:著作権者からの申し立てがあった場合、動画そのものがYouTubeから削除されてしまうことがあります。
- 著作権侵害の警告:YouTubeチャンネルに著作権侵害の警告が付与されることがあります。警告が複数回重なると、チャンネルが停止される可能性もあります。
故人様との大切な思い出の動画が、このような形で視聴できなくなってしまうのは、大変残念なことです。こうしたトラブルを避けるためにも、適切な対策を講じることが重要になります。
著作権侵害を回避する具体的な対策
著作権侵害のリスクを避け、安心して葬儀動画を共有するためには、いくつかの具体的な対策があります。ここでは、その方法を詳しくご紹介します。
著作権フリー・ロイヤリティフリー音源の活用
著作権フリーやロイヤリティフリーの音源は、一度購入するか、あるいは無料で提供されているものをダウンロードすれば、利用規約の範囲内で繰り返し使用できる便利な音源です。これらの音源は、著作権者が利用を許可しているため、安心して動画のBGMとして使用できます。
ただし、利用規約は音源によって異なります。商用利用は不可、クレジット表記が必要、といった条件がある場合もありますので、ダウンロードする前に必ず確認するようにしてください。
YouTubeオーディオライブラリの利用
YouTubeが公式に提供している「YouTubeオーディオライブラリ」は、著作権フリーの音楽や効果音を無料で利用できる非常に便利なサービスです。YouTubeに動画をアップロードするユーザーのために用意されているため、安心して使用できます。
- 利用方法:YouTube Studio(クリエイターツール)からアクセスできます。
- メリット:YouTubeのプラットフォームで利用することを前提としているため、著作権トラブルのリスクが極めて低いです。
- 注意点:一部の楽曲には「クレジット表記(アーティスト名などを動画の概要欄に記載すること)」が求められる場合があります。利用条件をよく確認しましょう。
その他のフリー音源サイト
YouTubeオーディオライブラリ以外にも、高品質なフリー音源を提供しているサイトは多数存在します。いくつか代表的なサイトをご紹介します。
| サイト名 | 特徴 | 利用条件(一般的な例) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| DOVA-SYNDROME | 多種多様なジャンルの楽曲が豊富。日本のクリエイターが多く、使いやすい。 | 個人・商用利用可、クレジット表記は任意(推奨)。 | 利用規約を必ず確認。 |
| 甘茶の音楽工房 | 癒し系、切ない系など、動画の雰囲気に合う楽曲が見つかりやすい。 | 個人・商用利用可、クレジット表記は任意。 | サイトへのリンクを貼ることが推奨されている場合がある。 |
| H/MIX GALLERY | 壮大なBGMから癒し系まで幅広いジャンル。 | 個人・商用利用可、クレジット表記は任意。 | 利用規約はシンプルだが確認は必須。 |
| Peritune | ゲームや動画向けの楽曲が豊富。 | 個人・商用利用可、クレジット表記は任意。 | 利用規約をよく読み、遵守すること。 |
これらのサイトを利用する際も、必ず各サイトの「利用規約」を確認してください。特に「商用利用の可否」や「クレジット表記の有無」は、トラブルを避ける上で非常に重要です。
ISUM申請はYouTube動画に有効か?
「ISUM(アイサム)」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。ISUMとは「一般社団法人 音楽特定利用促進機構」の略で、主にブライダル業界において、結婚式での市販楽曲の使用を適法化するための著作権管理団体です。
ISUMの申請を行うことで、結婚式で使用するBGMを合法的に利用できますが、これは「結婚式場での利用」に特化したものであり、YouTubeなどのインターネット配信サービスでの利用には適用されません。
したがって、葬儀動画をYouTubeにアップロードする目的でISUM申請を行っても、著作権侵害を回避することはできませんのでご注意ください。
オリジナル楽曲や自作演奏を使う
最も確実に著作権侵害を回避できる方法は、ご自身やご家族、ご友人が作曲・演奏したオリジナル楽曲を使用することです。誰もが著作権を持つ「二次創作」ではない、完全にオリジナルの音源であれば、著作権の問題は一切発生しません。
もし身近に楽器を演奏できる方や、作曲の趣味がある方がいらっしゃれば、故人様を偲ぶ気持ちを込めて、世界に一つだけのBGMを作成してもらうのも、素敵な供養となるでしょう。
権利者から直接許諾を得る方法(現実的な課題)
理論上は、楽曲の著作権を持つレコード会社や音楽出版社に直接連絡を取り、YouTubeでの使用許諾を得ることも可能です。しかし、これは現実的には非常に難しい方法です。
- 連絡先の特定:まず、どの会社に連絡すべきかを探すだけでも手間がかかります。
- 許諾のハードル:個人からの小規模な使用申請に対して、レコード会社などが個別に許諾を出すことは稀です。多くの場合、商業利用や大規模なイベントを除いては、許可を得るのは困難です。
- 費用:もし許諾が得られたとしても、高額な使用料が発生する可能性があります。
以上の理由から、この方法は現実的な選択肢とは言えません。基本的には、著作権フリー音源の利用を検討されることをお勧めします。
安全に葬儀動画をアップロードするためのステップ
ここまでご紹介した対策を踏まえ、実際に葬儀動画をYouTubeに安全にアップロードするための具体的なステップを確認しましょう。
音源選択から公開までのチェックリスト
動画作成から公開までの流れで、以下の点をチェックしてください。
- 音源の選定:
- YouTubeオーディオライブラリ、または信頼できるフリー音源サイトからBGMを選びましたか?
- 選んだ音源の利用規約(商用利用の可否、クレジット表記の有無など)をすべて確認しましたか?
- もしクレジット表記が必要な場合、動画の概要欄に記載する準備ができていますか?
- 動画編集:
- 著作権フリー音源のみを使用し、市販の楽曲は一切使用していませんか?
- 故人様やご遺族のプライバシーに配慮し、公開しても問題ない内容になっていますか?
- YouTubeへのアップロード:
- 動画をアップロードする際、YouTubeのシステムが著作権侵害を検出しないか、事前に確認できる場合は確認しましょう(アップロード後の著作権チェック機能)。
- 公開設定は「限定公開」に設定されていますか?
- 動画のタイトルや説明文に、故人様への追悼の気持ちを込めて、適切な内容を記述しましたか?
- 共有:
- 動画のURLは、共有したいご親族やご友人のみに送付しましたか?(SNSなどで不特定多数に公開しない)
著作権侵害通知が来た場合の対処法
もし、万が一、著作権フリー音源を使用しているにもかかわらず、YouTubeから著作権侵害の通知が来た場合は、以下の手順で対処してください。
- 通知内容の確認:
- どの楽曲が、どの部分で著作権侵害と判断されたのか、詳細を確認します。
- Content IDの申し立てなのか、著作権者からの削除要請なのかを確認します。
- 異議申し立て:
- もし、ご自身が著作権フリー音源を使用しており、利用規約を遵守している場合は、YouTubeの指示に従って「異議申し立て」を行います。
- 異議申し立ての際には、使用した音源サイト名、楽曲名、利用規約のURLなどを具体的に記載し、自身に正当な利用権があることを主張します。
- 異議申し立てが却下された場合:
- 異議申し立てが却下された場合は、残念ながらその楽曲の使用を諦めるしかありません。該当部分の音声をミュートするか、動画を削除し、別の著作権フリー音源で動画を再編集してアップロードし直すことを検討してください。
通常、YouTubeオーディオライブラリや信頼できるフリー音源サイトの音源を正しく使用していれば、著作権侵害の通知が来ることはほとんどありません。しかし、万が一に備えて対処法を知っておくことは大切です。
まとめ:故人を偲ぶ動画を安心して共有するために
故人様との思い出を振り返り、そのお姿を映像として残すことは、残された方々にとってかけがえのないものです。そして、その大切な動画を遠方のご親族やご友人と共有したいというお気持ちは、故人様への深い愛情と感謝の表れでしょう。
YouTubeの限定公開は、動画共有に非常に便利なツールですが、著作権の問題を軽視すると、せっかく作成した動画が視聴できなくなってしまう可能性があります。この記事でご紹介したように、市販曲の使用は避け、著作権フリーやロイヤリティフリーの音源を活用することが、著作権トラブルを回避する最も確実な方法です。
YouTubeオーディオライブラリや、利用規約をしっかり確認した上でフリー音源サイトを利用することで、安心して故人様を偲ぶ動画を共有できます。少しの手間を惜しまず、適切な方法で動画を作成・公開することで、故人様との思い出を大切に守り、多くの人々と分かち合うことができるでしょう。
故人様への思いを込めた動画が、皆様の心の中で温かい光となり続けることを心より願っております。
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